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【書評】「ロジカル・プレゼンテーション」古くて新しい問題解決能力の切り口

初版が2004年と15年くらい前の本になりますが、読み返してみて未だに色褪せないなあと思ってご紹介。

「プレゼンテーション」と銘打ってあるだけに、仕事の能力を「提案の技術」という観点で整理されています。著者は戦略コンサル出身ですが、仕事の上の提案はコンサルに限った話ではなく:
・担当している商品/サービスをいくらで売りたい
・自分の考えた企画を通したい
などなど、とにかく自分の考えや意見を現実に反映させる術として、ビジネスマン全般に広く当てはまる事であり、タイトルの印象以上に万人向け、誰にとっても有意義な本ではと思います。

提案の技術の要諦

まず、冒頭でビジネスマンに求められる能力が13挙げられており、そのうち下記の4つが「提案の技術」を形作る要素として整理されています。
・論理思考力(話をつなぐ)
・仮説検証力(疑問に答える)
・会議設計力(議論をまとめる)
・資料作成力(紙に落とす)

論理的思考力と仮説検証力が「いかに的確に考えるか」、会議設計力と資料作成力が「いかに的確に伝えるか」という風に対を成しています。

本書の特徴は、全編を通して提案の受け手の視点・感覚が細かく記述されているところですね。

例えば、論理思考力において、広く深く考えるという事だけでなく、それを相手の思考のクセや予備知識に応じて、どのように方法を変えて見せるか、という事がかなり丁寧に説明されています。

個人的には、本書全体を読み通す上で基礎となる「論理思考力」の章、案外その重要度の割にしっかり考え抜かれる事の少ない(ように思う)「会議設計力」の章が特に参考になると思いました。

「論理思考力」の章では、論理の広さと深さを高める方法に加えて、他人への説明時になぜ話の論理が噛み合わなくなるのかが明快に整理されており、フレームワークとして頭に留めておくと有益だなと。

エモーショナルな提案のコツは?

ロジカルな提案のコツは「ロジカル・プレゼンテーション」でかなりつかめると思いますが、意思決定は必ずしも論理的な要素だけで決めるわけではなく、感情的な要素も多分に入ってきます。

心理学の分野には、楽しいから笑うのではなく、笑ううちに楽しくなる、という「ジェームズ・ランゲ説」という考え方があります。

これに似て、ビジネスにおける判断も、論理的に正しいから決断するというケースだけではなく、決断したいように決断して後から論理的な正当性を確認する、という事がままあります。

営業マンをご指名で何かをお買い上げする時なんかはその典型例でしょうし、身近な例だと、セールの時に衣類を衝動買いして品質の割に安かったからと自己弁護する、なんかもそうでしょう。

ロジカルに加えて、人間心理を抑えたエモーショナルなコツも抑えると、提案の精度がぐっと高まると思います。その時のコツは、これもまた古い本ですが「影響力の武器」が良いのかなと思いますが、こちらの書評はまた今度に。

返報性や一貫性など、人間がついつい流されてしまう心理・心情的な要素とその対処法が語られている昔からの名著ですね。