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【書評】ネスレ高岡浩三氏の原動力と人生譚

ネスレ日本史上初の生え抜き日本人社長である高岡浩三氏。著書は結構あるのですが、この本は書籍を出し始めた頃の一冊であり、一番パーソナルな部分を扱ってるのでは。

タイトルになっている「逆算力」の由来ですが、高岡氏の父・祖父ともに42歳で亡くなっている事から、自分も42歳で死んでしまうのだろうと強く感じていたそうです。その事が、人生の終わりを明確に意識させ、それまでに何をしておきたいか逆算して実行しておくという発想と馬力をもたらした、というのがその心です。

42歳という節目の歳を迎えた時に、マーケティングの専門家としての高岡氏の代表的な仕事となる「受験にキットカット」キャンペーンを手がけて大成功を収める事となり、運命を感じたという話はとても印象的です。

営業に邁進した最初の3年間、神戸本社や米国オフィスでの挑戦、30歳で初めて部下を持った時の話など、かなり個人的な体験とその時の心情が語られていて、グローバル企業で働いている身としては参考になる事も多く、より働き方やマーケティングに関する思考回路に焦点を当てた他の著書と併せて読むと興味深いです。